なんで雄花と雌花に分かれるの?
野菜育てるの大好きでブログにも書いているんですけど、5月も終盤になると色々な野菜の花が咲き始めました。だいたい2タイプに分けられ、①1つの花に雄しべも雌しべもあるので1つの花で受粉が出来るもの、②雄しべしかない花と雌しべしかない花があって受粉を手助けしてあげないと結実してくれないものがあります。
①のタイプ(雄しべと雌しべ両方持っている)の花
このタイプの花は雄しべも雌しべも持っているので自分の花の中で受粉する(=自家受粉)場合が圧倒的に多いです!だから雄花と雌花がなく(虫が少ない場合に限りますが)勝手に結実しているものは大体このタイプの花です。でも、絶対に他の花から運ばれた花粉と受粉しない訳でもありません。
1、ミニトマト
(言うまでもありませんが)黄色い花がミニトマトの花で、真ん中の黄色い突起物の中に雌しべと雄しべがあって、自家受精してくれます。
2、ユリ(観賞用)
茶色い細長い構造物が6つ並んでいますが、それが雄しべ(正確には葯)でそれらの中心に1本長いのが伸びていますが、それが雌しべです。雌しべの先端(柱頭といいます)に花粉が付くと結実してくれます。全然野菜じゃないけど分かりやすかったので載せました。
もっとありますよ!こんだけじゃないですよ!でも今見られるのはこのくらいです。
では②のタイプ(雌しべだけ持つ花と雄しべだけ持つ花を咲かせる野菜(植物))
結実するためには、雄しべしか持たない花からの花粉が雌しべしか持たない花へと運ばれなければいけません。一般的なのは虫が運んでくれるのですが、家に来るハチは休んでばかりでほとんど働かないので人工授粉をしないと実が出来ません!
1、キュウリ
これが雄花です。雄しべだけ持っていて花粉を出しています。
そして、、、
これが雌花です。(本当はミニチュアキュウリの先っぽに雄花みたいな立派な花がついているのですが、枯れてしまいました、、、)
野菜(特にウリ科植物の場合)の花では、雄花は花だけで雌花は花の下にミニチュアの実がついている事が多いです。
2、カボチャ
これは花だけだから雄花です。
しぼんじゃいましたが、花の下にミニチュアの実(カボチャ)があるので雌花です。
※なぜ雄花と雌花が分かれるのか?
実際1つの花に雄しべと雌しべの両方があった方が実は付きやすいです。
雄花と雌花が分かれていると受粉できない場合が多くて、受粉できなければ実は出来ません。(カボチャの場合は黄色く変色して枯れていきます。)
それでも雄花と雌花が分かれている理由は、、、
①色々な種類の遺伝子を持った子孫を作りたいから
ちょーざっくり説明すると、生物が生きていく上で必要な情報が載っているのが遺伝子で、子孫は両親の遺伝子をもらうことで遺伝子を持つ事が出来ます。
これは一般的に言われている説で、確かに1つの花だけで受粉できれば便利なのですが子孫は全て親と同じ遺伝子を持つことになります。何も起きなければ穏やか生きていけますが、何か病気が流行ったり気温が変動したりして(=環境が変わる)生きていけなくなります。その場合みんな同じ遺伝子を持っているのでみんな死んでしまいます。でも遺伝子にバリエーションがあれば中には生きていけるものが出てくるかもしれません。だから色々な種類の遺伝子を持つ事が必要なんです。でもそんな事めったに起こらないので自家受精タイプの花も子孫を残せます。
②変な時期に結実しても大きくなれないから
ウリ科植物は花が咲き始めの頃、咲き終わりの頃には雄花しか咲かない、あるいは雌花しか咲かないといった事が起きます。それでそういう時は大体寒いので運よく受粉に成功したとしても途中まで大きくなって枯れてしまいます。だから時期によっては雄花と雌花の両方咲かないようにし(実を成長させるための)無駄なエネルギー使わないようにしてるんじゃないかなーと思います。